お酒を飲む
周囲に愚痴る
カラオケで発散
人それぞれストレス発散の方法があると思いますが、その前に行うべき大事なことがあります。
この大事なことを押さえておかないと、ストレス発散の効果は下がってしまうことが多くの研究から分かっています。
その大事なこととは、「自分が受けたストレスを正確に把握すること」です。
正しいストレス対策の第一ステップは「現状の把握」

ストレスを上手く処理していくためには、まず第一ステップとして自分が受けたストレスを正確に把握することが重要です。
そして、自分のストレスを正確に把握するには、「あいつ腹が立つ」「また失敗した、落ち込む」ぐらいの認識では足りません。
具体的には、
「このストレスは、100点満点で何点か?」
「このストレスは、過去のものと比べて何%ぐらい辛いか?」
といったレベルまで考える必要があります。
ダイエットをするのに、自分の体重を把握せずに始める人はいないでしょう。
それと同じで、自分がどの程度のストレスを受けたか把握したうえで対策をとる方が、効果的というわけです。
製造業では、不良品が出たときには、原因解析と是正対策を行います。
解析の過程でまず初めに行うのが、現物の確認、つまり現状の把握です。
現物を確認しなければ真の原因が分かりません。
原因が分からなければ、有効な対策が打てません。
ストレスに関してもこれと同じことが言えます。
先に挙げたようなストレス発散で上手くいく場合もありますが、これらの行動は全て反射的なものでしかありません。
上司に怒られた→酒を飲む
仕事でミスをした→カラオケに行く
これでは発生した現象に対していきなり対策を打っている状態で、第一ステップである現状の把握ができていません。
上手くいく場合はいいですが、そうでない場合はモヤモヤした気分が残り、じわじわとメンタルを消耗していってしまいます。
ストレスサーモメータ―

自分が受けたストレスのレベルを把握する方法の1つが、ストレスサーモメーターです。
自分が受けたストレスは何点か、10点満点で採点します。
ストレスサーモメーターでの採点は完全な主観になりますが、その精度は、専門のストレス診断を受けた結果と比べても大きな差がない、という実験結果が出ています。
まず大まかに現状を掴むには十分使える方法と言えます。
さらに、このテクニックの良いところは、ストレスに点数をつけただけでも、ある程度ストレスが軽減されるというところです。
ただ単に「イライラするな~」と思うよりも、「いまは7点のイライラだから、せめて4点ぐらいには下げよう」と思えば、明確な指針ができて心にゆとりが生まれます。
また、「今のイライラは過去と比べたら1点ぐらいだ、大したことはない」と思えれば、そこでストレスが消えることもあります。
ストレスダイアリー(ストレス日記)

名前の通り、自分がどんなストレスを感じたかを記録していく方法です。
少し手間がかかりますが、科学的に信頼度の高いテクニックです。
日記として記録していくことで、自分が受けたストレスを客観的につかんでいくことができます。
家計簿と同じで、いつどんな場面でストレスを受けたかが把握できるようになれば、正しいストレス解消への道が開けてきます。
ストレスダイアリーのフォーマットは、鈴木祐さんのブログからダウンロードできます。
ストレスダイアリーには以下を記録していきます。
- ストレスを受けた時間
- ストレスレベル(0点~10点)
- ストレスが持続した長さ
- ストレスを受けたときの状況(場所、環境、原因、相手)
- きっかけ
- 自分が抱いた感情や思考
心の負担を軽減する効果も得られるので、毎日寝る前に実践するのがおススメです。
まずは最低2週間続けることが推奨されており、記録(データ)がたまるほどに自分にとって最適なストレス対策が打てるようになるでしょう。
ストレスダイアリーの使い方

日記のデータがたまってきたら、ランキングをつくってみましょう。
- 日記に何度も出てくるストレス
- 特に負担を感じたストレス
このどちらかを選んでトップ5を選出します。
これが優先して対策すべきストレスだと分かります。
ランキングの1位や、特に印象に残っているストレスなど、直感でいいので「一番解決したいストレス」を選びます。
一度に複数のストレスに取り組むと効率が下がるので、必ず1つだけ選ぶようにします。
「一番解決したいストレス」を選んだら、解決策を考えてみます。
まず初めに考えるべきは、「このストレスは、環境さえ変えれば解決するか?」ということです。
例えば、「通勤の満員電車がストレス」であれば、満員電車自体をどうこうすることはできません。
「上司の顔が嫌いでイライラする」であれば、上司の顔を変えることはできません。
「会社がブラックで残業ばかり」「隣人がうるさい」などであれば、転職や引越といった環境を変えれば解決できます。
「もっと美人に生まれたかった」であれば、整形すれば多少は解消されるかもしれません。
とはいえ、経済的な問題などもあり、現実的には簡単に環境を変えることはできません。
日常のストレスを把握するうえで重要なのは、
「自分でコントロールできない状況に抵抗している」
逆に「環境さえ変えれば解決するのに行動していない」
といった状況を把握することです。
有効な対策を打つためにも、この区別をハッキリすることが大事です。
ストレスを測定してくれるガジェットOURA RING

OURA RINGは、血流を測るセンサーを内蔵した指輪型の電子機器です。
心拍変動をストレスの測定に使っていて、人間のストレスを正確に反映していることが近年の研究からも分かっています。
今までは心電図で測っていたものを、指にはめるだけで簡単手軽に測れるようになったのです。
さらには、自動でスマホに記録を残してくれて、毎日のストレスレベルの推移をグラフで見ることができます。

メンタリストDaiGoさんも動画で紹介していましたので、それなりに信頼できるツールということでしょう。
値段は5万円と安くはないですが、ストレスチェックを自動化したい人には最適と言えます。
参考:超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド