ここでは台湾人と日本人の国際結婚の手続きについて解説します。
私は台湾妻と結婚しているので、実際に自分たちで行った手続きを紹介します。
あくまでも2020年時点の情報となりますので、ご理解のうえ参考ください。
全体のおおまかな流れ
1.日本側入籍
2.台湾側入籍
3.日本での配偶者ビザ申請
申請時の状況
夫(私)と妻(台湾人)で日本で同居
私は普通に居住、妻はワーキングホリデーのビザで日本に滞在
配偶者ビザ申請直前にワーキングホリデーのビザが切れ、一時帰国・再入国してからの申請
長くなりますので、本記事では
「配偶者ビザの申請」
についてのみ紹介します。
ステップ1「日本側の入籍手続き」はこちら:【日本側の入籍手続き編】台湾と日本の国際結婚について解説
ステップ2「台湾側の入籍手続き」はこちら:【台湾側の入籍手続き編】台湾と日本の国際結婚について解説
ステップ3「配偶者ビザの申請」はこちら:本記事
申請~許可までの概要まとめ
日本側・台湾側の入籍ができたら、いよいよ残すは配偶者ビザの申請のみとなります。ただしこの配偶者ビザの申請が一番書類が多く、時間もかかります。
申請後、最低でも3カ月前後は待つ必要があります。
入籍しても日本に居住できないのでは意味がありませんので、この配偶者ビザの申請・取得が最重要ステップとなります。
配偶者ビザ申請の具体的なステップは以下の通りです。
- 必要書類をそろえる
- 入国管理局に提出に行く
- 在留資格認定証明書が郵送されてくる
- 再度入国管理局へ行き、配偶者ビザ(在留カード)をもらう
大きく分けるとこれだけです。
書類を準備する⇒申請に行く⇒通知を待つ⇒在留カードをもらいに行く。但し、必要書類が非常に多くなります。
必要書類の説明
必要書類一覧
- 在留資格認定証明申請書
- 身元保証書
- 質問書
- 2人のスナップ写真
- 台湾の結婚証明書と日本語訳文
- 戸籍謄本
- 課税証明・納税証明
- 住民票
- 証明写真
- 返信用封筒
このように必要書類がズラッとあり、できる部分は早めに準備した方が良さそうなことだけは分かりますね。
ただし、戸籍謄本、住民票、課税証明や納税証明などは、「発行から3カ月以内のもの」という規定があるため、準備が早すぎてもダメなので注意しましょう。
必要書類の詳細は法務省のページからも確認できます。ここから1つずつご紹介します。
在留資格認定証明申請書(在留資格認定証明書交付申請書)
名前がやたら長いですが、要は在留許可の申請書です。入国管理局に置いてあるので、行ってから記入してもいいし、先にダウンロードして記入を済ませてもいいです。結構記入箇所が多いので、先に済ませた方がラクになると思います。 【PDF形式】 【EXCEL形式】
身元保証書
台湾配偶者に何かあった時に保証人になる人を立てます。日本人配偶者が保証人になります。身元保証書(PDF)
質問書
この質問書が一番大変かと思います。2人の出会いから結婚に至るストーリーを作文しなければなりません。質問書(PDF)

2人のスナップ写真
2人で写っている写真を3枚ほど提出します。偽装結婚ではないことをアピールするためにも、3枚は違う場所で撮ったものが好ましいです。
台湾の結婚証明書と日本語訳文
台湾側の入籍で入手した「結婚証明書」原本と、日本語の訳文を適当な書式で翻訳していけば大丈夫です。
課税証明・納税証明
※ 1月1日現在お住まいの市区町村の区役所・市役所・役場から発行されます。
※ 1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば,いずれか一方でかまいません。
※ 入国後間もない場合や転居等により,お住まいの区役所・市役所・役場から発行されない場合は,最寄りの地方出入国在留管理官署にお問い合わせ下さい。
※ 発行日から3か月以内のものを提出して下さい。
身元保証人(日本配偶者)がちゃんと納税しているか、また台湾配偶者を養う収入があるかを確認するために必要になります。市役所に行って入手するか、郵送申請もできます。郵送申請の場合、申請書をネットで印刷して、郵便局で必要金額分の「定額小為替」を購入し、返信用封筒と共に郵送します。これには1週間ほどの時間がかかります。私も市役所に行く時間がなかったので、郵送申請しました。ちなみに、私は台湾生活から日本に帰国してまだ1年ちょっとしか経っていなかったので、前年は住民税の支払いがなく、納税証明はありませんでした。なので、当年度の住民税をさっそく一括で払って、その領収書を申請書と一緒に市役所に郵送して、納税証明書を発行してもらいました。それを入管に提出しましたが、何も問題ありませんでした。
その他
- 戸籍謄本
- 住民票(世帯全員)
- 証明写真
- 返信用封筒(404円分の切手を貼付)
- 印鑑
入国管理局に書類を提出に行く
東京入管または最寄りの入管に行って、上記の書類を提出します。
申請後、最低でも3カ月前後は待つ必要があります。
私たちは千葉県に住んでいたのですが、自宅から一番近いのが埼玉の入管だったので、埼玉に提出しに行きました。ところが、住所が千葉なので受付できないと言われ、千葉の入管に行くように言われてしまいました。このような規定はHPには公開されていなかったので、完全に想定外でした。事前に電話で問い合わせておくべきでした。無駄に埼玉と千葉を行ったり来たりしましたが、何とか同日中に提出できました。もともと東京の入管は混むという情報だったので地方の入管に行ったのですが、これから行く方には東京の入管に行くことをおススメします。というのも、千葉で提出した時に窓口の人が「書類は東京の入管に転送して東京で審査する」と言っていたからです。混雑を避けるために地方の窓口で提出しても、結局書類の転送に時間を取られるので審査完了までに時間がかかってしまいます。よって、混んでいたとしても東京入管に行く方が結果として速く進むかと思います。申請すれば、あとは待つだけです。
もし書類の追加提出要求があったら
申請後に、追加で書類提出の要求があるかもしれませんが、なるべく早く対応すれば問題ないかと思います。私の場合は住民票の追加提出要求がありました。もちろん元々出していましたが、おそらくは、住民票の申請が少し早かったため、入管への提出時はまだ大丈夫だったものの、順番がきて審査する時点で3カ月が経ってしまっていたものと思います。あるいは、提出した時は妻がまだワーホリビザで日本にいたので住民票に入っていましたが、順番がきて審査する時にはワーホリビザが切れて出国していた(住民登録もなくなった)ので、そのへんの確認だったのかもしれません。いずれにしても追加提出の理由は説明されませんが、素早く対応すれば問題ないかと思います。
在留資格認定証明書が郵送されてくる
3カ月前後を目安に、問題がなければ「在留資格認定証明書」が届きます。少し厚めの合格証みたいな紙が、自分で用意した返信用封筒に入って送られてきます。受け取ったら、それを持って入国管理局に行きます!
再度入国管理局へ行き、配偶者ビザ(在留カード)をもらう
自宅に届いた在留資格認定証明書を持って、同封のハガキに指定された場所に行きます。受け取り期日も書かれていますので、それまでに行きましょう。4,000円の収入印紙も買います。
無事に配偶者ビザ(在留カード)を入手できたら、ようやくミッション完了です。あとは自宅最寄りの役所に行って、転入手続きやマイナンバーカードの手続きなどをしましょう!
配偶者ビザの申請は却下されることもあるのか?

配偶者ビザの申請は却下されることがあるのか、という問題についてです。
ネットで情報収集すると「一度不許可になると再申請で通るのは難しい」など、怖い情報もたくさんあります。有料の申請代行サービスや、書類確認とアドバイスだけもらえるようなサービスもあります。心配な方は有料サービスを利用するのも一つの方法ですが、台湾と日本はパスポートだけで3か月も滞在できるような友好な関係ですので、あまり心配する必要はないかと思います。実際厳しく審査されるのは、提出書類の内容が怪しいか、主に入国だけでもビザが必要となるような国が対象かと思います。(例えば東南アジアや中南米など)
私たちも全て自分で申請して問題なく配偶者ビザを取得できました。
不許可になるのはどのようなケース?
偽装結婚、つまりビザの取得だけが目的の結婚
ネットでの既出情報と私見ですが、不許可になるケースはほぼこれだけだと考えられます。具体的には、会ったこともない人と法律上だけで婚姻関係を結んで日本での居留資格を与え、直接または仲介人から金銭を受け取る。というような、制度の悪用行為を働いているケースです。
その他には、日本配偶者の収入が低すぎて、到底外国人配偶者を養うことができないと思われる場合でしょうか。これは、そのせいで外国人配偶者が違法な商売などに手を出し問題を起こすのではないか、といった観点でしょう。いずれにせよ、普通に結婚する人たちであれば、必要な書類をしっかり準備して申請すれば問題ないかと思います。
配偶者ビザ申請のポイントまとめ

- 偽装結婚を疑われないように、書類をしっかり準備する
- 戸籍謄本、住民票、課税証明や納税証明などは、「発行から3カ月以内のもの」という規定があるため、準備が早すぎてもダメなので注意
- 申請後、最低3カ月前後は待つ
- 在留カードを入手したら、転入届も忘れずに
国際結婚の手続きの中で最も手間と時間がかかるのがこの「配偶者ビザ」です。書類も多いので、できるところから早めに準備していきましょう。
全体のおおまかな流れ
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3.日本での配偶者ビザ申請
ステップ2台湾側の入籍:【台湾側の入籍手続き編】台湾と日本の国際結婚について解説
ステップ3配偶者ビザの申請:本記事