副業で税金を減らせるのか?確定申告の前に知っておかないと脱税になるかも?

税金関係

 

「副業を始めれば通信費やパソコンなど色々なものを経費にできるので、節税できる」

このような無責任な発言をするYouTuberやブロガー、本の著者がいたが、実は世の中の大半の副業では節税にならない。

副業ブームが始まってからこのことは問題視されていたが、令和4年10月7日、国税庁から「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)が出され、この問題について明確化された。

 

90%の副業は節税にならない!

今回の本題に対する結論:副業で節税できるケースはあるが、大半の場合は節税できない

おそらく90%は無理なケースに該当する(数字に根拠はないがそれほど難しい)

確定申告は正しく行わないと、節税ではなく脱税になりかねない。知らずに確定申告していた場合でも、知らなかったでは済まず、ペナルティを受けるリスクがある。

売上は少なくていいから自宅でできる副業を始めて、家賃・通信費・光熱費とかを経費にして、さらに青色申告もして専従者給与も計上して、確定申告して還付を受けよう!!→これは完全に100%間違い

確定申告自体は、自己申告なので間違った内容でも申告して還付を受けることができる。しかし、税務署は申告者全ての書類を見ていないので、間違っていたとしても確定申告をした時点では教えてくれない。何年も経ってから言ってくるので、悪質と判断された場合は経過年数分の加算税や追徴課税が発生したりする。

節税が国民の権利であれば、納税は国民の義務。最悪の自体を避けるため、正しく確定申告をする必要がある。

副業で節税をする前に、事業所得と雑所得を理解しよう!

副業で節税する方法の王道としては、自宅でPC作業などの副業をして、家賃・通信費・光熱費といった、生活コストの一部を経費にし、本業(サラリーマン)の収入から差し引くというもの。

では、開業届を出して、ポイ活やブログアフィリエイトを始めれば、利益が少なくても、或いは利益ゼロでも、かかった経費を本業の収入から差し引いて税金を減らせるのか?

その答えはNOとなる。

理由は、事業所得と雑所得の違いにある。本業の収入と合算して経費を差し引くためには、副業も事業所得にすることが大前提。

副業を事業所得として税務署に認めてもらうには、一定の条件を満たす必要がある。これまで曖昧だったその条件が、「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)である程度明確化された。

一般的な副業(片手間、売上が本業と比べて少ない)は、間違いなくすべて雑所得になる。雑所得は本業との損益通算もできなければ、青色申告もできない。雑所得の収入から雑所得に関わる経費を引くだけなので、基本的に節税にならない。

 

副業で節税する方法と条件(条件は推定)

副業を事業所得として、本業の収入と合算するには、税務署に「この副業は事業所得だ」と認めてもらう必要がある。

これまで事業所得か雑所得かという境界線に明確な基準はなかったが、令和4年の改訂により、次のようにある程度明確化された。

  1. 帳簿の保存
  2. 社会通念上、事業と言える
  3. 副業の収入が300万円以上

 

❶帳簿は元々事業所得には必要なものだが、改めて明確化された。

❸は必須ではないが、公式に数字が出ているので目安と考える。

❷については以前から考えられていたような次のポイントを満たすものと考える。

  • 本業と同レベルの利益がある、それだけで生活していけるレベルの利益がある
  • 継続性・反復性がある
  • 10人に聞いたら10人がそれは副業ではなく事業と判断するような内容

 

税務署に事業所得だと認めてもらうという話については、確定申告の時点では申告して終わりなので、実際に税務調査が来た時のことになる。個人の副業などに対して税務調査が実施される確率は現状かなり低く(おそらく1-2%レベル)、来ない可能性の方が高い。ただし可能性がゼロではないこと、そして今後どうなるか分からないため、税務調査が来たときに合理的な説明で納得させられる準備を常にしておくことが必要。万一否認されれば、修正申告をして過少申告となった差額の税金を納めることになる。

 

こんな副業では節税はできない!

事業所得については先に述べた通りで、一方で副業が以下のような状態であれば間違いなく雑所得になる、つまり節税できない。

  1. 帳簿を保存していない
  2. 副業の収入が300万円以下
  3. 3年赤字続きで、赤字を解消する努力がみられない
  4. 社会通念上、事業と言えない

 

❶帳簿を保存していない時点で事業所得にはできない。

❷は必須ではないが、公式に数字が出ているので目安と考える。根拠と自信をもって事業だと説明できれば認められる可能性がある。

❸改善する努力が見られない節税目的の赤字と判断されれば、事業所得にはできない。事業が軌道にのって今後黒字になる見込みを説明できれば事業所得と認められる可能性はある。

❹は以前から考えられていた次のポイントが言える。

  • 売上に対して経費が明らかに大きく、損益通算の節税目的に見える
  • 売上が本業と比べて圧倒的に少ない、利益が生活できるレベルじゃない、全く手間暇をかけていない
  • そもそも事業として運用できない内容

 

例えば、自家用車を個人間カーシェアに出して、車代・駐車場代などを経費にしようと考えたとして、個人間カーシェアは確かに副業として利益を出せるが、たとえ毎日売上が上がって本業並みの利益が出たとしても、絶対に雑所得にしかできない。車貸しには事業者認定が必要なので、そもそも簡単に副業で事業所得にすることができない。

副業で節税を目指すのであれば、副業収入300万円以上を目指す、且つ副業の内容がそもそも事業所得にできるものなのか確認が必要。

間違いなく生活コストを経費にして節税できる方法

サラリーマンの副業による節税には雑所得・事業所得という問題があり、実はハードルが高い。知らずに副業大赤字で確定申告をして還付を受けていると、いつか税務調査がきたときにペナルティを受けるリスクがある。

最後に、この方法なら間違いなく生活コストを経費にして節税につながるという方法を紹介する。

それはずばり、サラリーマンを辞めて個人事業主になること。具体的には、会社との契約形態を正社員から業務委託に変えてもらう。大手企業では難しいかもしれないが、中小企業である程度の関係性ができていれば、社長に相談するのは難しくない。仕事は変わらず続けるので節税のために業務委託契約にして欲しいという話。

在宅勤務できる仕事内容であれば、家賃・通信費・光熱費・その他消耗品費などは当然経費にできる。

個人事業主が必要経費に計上できるもの、できないもの

会社としては社会保険の負担も減るので、契約変更を嫌がる理由は少ない。

ただしリスクもある。

  • 正社員と比較すると契約を切られやすい状態になる
  • 精神的な不安もつきまとうかも
  • 厚生年金は国民年金に、健康保険は国民健康保険になる
  • 雇用保険もなくなるので、失業しても給付はない
  • 住宅ローンの審査も通りにくくなる

個人事業主になって住宅ローンが組めるのか色々やってみた件

また、個人事業主になるとボーナスはないので、報酬の交渉はボーナスを含めた年収額でしたい。

今の時代ではサラリーマンでもリスクはあり、真っ先に増税のターゲットになるのもサラリーマン。将来もらえる年金も保証されるか怪しい。

一方で個人事業主になるとメリットもある。

  • 不安ゆえに社員の時よりも責任感が増す
  • 支出管理に敏感になる
  • 節税メリットが大きい
  • 自分のビジネスを始めやすい状況になる

リスクはあるがメリットも大きいので、チャレンジする価値はある。家族とも相談して十分に検討してから決めるのが良い。