私たち人間は、幸せになれるはずなのに、バイアス(思い込み)などが作用して不幸を感じやすいようにできています。
ここでは、幸福学の視点から見た、幸福度を上げる効果がある4つのポイントを、紹介していきます。
「今が不幸」は当たり前
まず理解しておきたいのが、人間は今に対して不幸を感じやすくできている、ということです。
- 仕事も安定している
- お金には困ってない
- 結婚もしている
- 毎日健康に過ごせている
このような人であっても、なんとなく不幸を感じることがあるかと思います。なんとなく不幸を感じるのは自然なことなのです。
しかし、不幸を感じる一定の不安やストレスは、人間にとって必要なものだと言われています。不安やストレスはがあるからこそ、人間は変化と改善を続け、これまで生き残ってきたと考えられているのです。
普段から不幸を感じやすい原因には、次の3つの効果が関係しています。
- 楽観バイアス
「現在よりも未来の方が良いことがある」と思い、未来に比べて今が不幸に感じてしまう。 - ポリアンナ効果
過去の嫌な記憶は薄れていき、過去は良かったと感じてしまう。 - 快楽の踏み車
良いことがあってもすぐに慣れて、もっと良いことを期待してしまう。
このような効果が働いていることで、根拠もなしに未来は今より良くなると期待し、過去は美化し、目の前の幸せにはすぐに慣れてしまうのです。
実際は、私たちには「いま」しかなく、今この瞬間にいかに集中し、いかに没頭し、いかに幸福に生きるかが大事なのです。
そのために特に大切にすべき4つのポイントを、続けて紹介していきます。
「自分はの成長」を感じる

幸福度をアップするポイントの1つ目は、自分の成長を実感することです。
人は前進している感覚、成長している感覚を感じることで、生きている感覚を持ち、幸福を感じることができます。
自分が成長できているを、客観的にチェックしてみましょう。
他人と比較して落ち込んだり、他人を妬んで足を引っ張ろうとしても、自分には何のプラスにもなりません。
大事なのは、今の自分は過去の自分と比べてどうか?です。
1年前の自分よりも成長しているか、1か月前の自分と比べてどうか?
自分の成長を感じることができれば、モチベーションを保つことができ、幸福度は確実にアップします。
感謝する・感謝してくれる相手がいること

感謝することで、免疫力が上がり、ポジティブな感情が強くなり、死亡率まで下がることが研究から分かっています。
感謝できる相手、また自分に感謝してくれる人とのつながりを築けていることが、幸福度に影響を与えているのです。
幸福度を上げるような人間関係を築けているか、チェックしてみて下さい。
また、友人が多いことと幸福度は相関性が低く、「数よりも質」が重要であることが分かっています。
とくに、性別、年齢、職業などで、様々な友人がいる方が、幸福度が高くなることが分かっています。
完璧を求めず楽観的になる
完璧を求めず、「ある程度なら何とかできる」という考え方をもつことが重要です。
完璧主義者は、不幸になる確率が極めて高いことが分かっています。
失敗しても、それをいつまでも引きずらず、何とかなると思う
どんなことでも自分が頑張れば7-8割は何とかなると思う
こういったマインドセットをもつことが、日々の幸福度をアップしてくれるのです。
他人と比較せずマイペースを保つ

他人と自分を比べると不幸になります。
自分の失敗や、つまづいている理由を、人や環境のせいにしないこと。
自分の努力が足りないのはどこまでで、改善できるのはどこまでなのかを考えること。
他人と比べるのではなく、自分事として考えましょう。
他人と自分を比較して嫉妬したり、絶望したりしても、それは自分で自分を滅ぼすだけの行為です。
大事なのは、自分のペースです。
あなたが比較すべき対象は、他人ではなく、過去の自分です。
今の自分は、昨日の自分、1か月前の自分、1年前の自分よりも成長していること。
周りに振り回されず、自分のペースを保つことができれば、ムダなストレスは減り、幸福度は確実にアップします。
また、人目を気にせずに物事を楽しめるか、言いたいことを言えるかも、幸福度に大きな影響を与えます。
図太すぎる、無神経すぎる人は問題ですが、自分のペースで、自分で考える、自分で決めることが大事です。
まとめ
以上、人生の幸福度をアップするための4つのポイントを紹介してきました。
できれば4つすべてを日常に取り込んでいくのが望ましいですが、1つだけでも十分に効果が上がるはずです。
1つずつでもいいので、意識して行動してみてください。