分かりやすい言葉を使い、具体的に用件を伝える

- 「追って確認いたします」
- 「おいおい検討しましょう」
- 「例の件、上手くやってよ」
など、曖昧な表現はいくらでもありますが、言われた方は「いつまでに確認してくれるの?」「いつ検討するの?」「上手くって何だよ…」など、ピンとこない場合もあります。
- 「〇個用意してください」
- 「〇月〇日に回答予定です」
分からない人がいるときには、業界用語や専門用語を使うのは避けましょう。
知識や専門性をアピールすることはできても、逆に「自分の立場を高く見せようとしている」「プライドが高そう」と思われ、結果的に損をします。
最悪の場合、意味が分からないことで仕事が滞る可能性もあります。関係者全員が分かる言葉で話した方が、謙虚で偉ぶらない印象を与えることができます。
こうした専門用語の使い方は、スポーツの実況中継が参考になります。
「ランナータッチアップ、坂本走りました!センターバックホーム!ボールが返ってきます!アウト!ダブルプレー!一気にアウト2つになってしまいました!」
など、専門用語のあとに簡単な言葉で解説するような話し方は、素人でも分かるような親切さがあります。
用件は本題から、言い訳は後から

話をするときは、簡潔に本題から話しましょう。前置きが長いと、何が言いたいのか分からなくなります。
「実はちょっと困ったことがありまして…部長に相談すべきかどうか迷ったんですけど…」などとダラダラ前置きするのは避けるべきです。
「何なの?」「俺も忙しいんだけど」と、相手をイライラさせるかもしれません。
「お客様のクレームの件でご相談があります」
用件から入れば、上司も話に入りやすいです。
電車の遅延で遅刻した場合も同じです。
「ちょっと電車が止まっちゃいまして、たまにあるんですよねー。」
電車が遅れたのは事実だとしても、遅れたことも事実です。まず一言謝って、理由はその次にした方が、聞いている側の印象も良くなります。
「すみません遅れました。電車が遅延しまして…」
電車が遅れることがあるのは誰でも分かっていることです。礼儀としてまず謝罪の言葉を先にする方が、圧倒的に印象が良くなります。
スピーディな対応は好印象を与える

ビジネスでは、スピーディな対応が求められる場面も多いです。
1つのテクニックとして、「まず仮決めする」という方法があります。
客先相手に、「予定を確認して連絡します」でもいいのですが、「まず〇日で仮決めしましょう。変更必要であれば連絡します。」と言うこともできます。
この癖をつけておくと、対応が速く、デキる人と思われます。実際に仮決めした日で問題なければ、ラッキーです。複数部門との調整が必要なときなど、確かに予定の確認には時間がかかります。仮決めした日に合わせて調整を依頼することもできるので、やはり効率がいいと言えます。
上司への報告も、速い方が得をします。
時間が経って問題が大きくなればなるほど、後からの処理は大変になります。早めに報告をするクセをつけておけば、早めの対応ができます。また、上司に情報共有することで責任を一人で負う必要もなくなるので、自分のためにも早く報告しましょう。
【部下の心得】主動的に提案・報告をする

「どうしたらいいですか?」という丸投げ質問はもちろんNGですが、「どっちを先にやった方がいいですか?」「どうまとめたらいいですか?」といった質問も、相手に悪印象を与えます。
このように質問ばかり投げる人は、いわゆる「指示待ち人間」と思われてしまいます。
しかしながら、「勝手に判断して動けばいい」というわけでもありません。結果として、「言ったことと全然違うぞ」「聞いてないぞ」と怒られる場合もあります。
やるべきことは、自分で考えて提案する。細かな指示は求めず、細かく報告する。こうすれば、勝手に動くわけでもなく、指示待ちになることもないので、デキる部下だと思われます。
「〇〇の件、A案とB案があって、私はこうしようと思うんですが、どうでしょうか?」
「ああ、じゃあAの方向でやってみて」
「最後のここだけ〇〇って修正しといて」
このように、上司も指示が出しやすくなり、あなたの評価も上がります。
「〇〇の件ですが、現状このように進んでます」
随時進捗を報告しておくことで、「俺は聞いてない」と言われることがなくなり、自分の保身にもなります。常に情報を共有しておけば、急に欠勤することになった場合でも、チームで対応しやすくなります。
途中経過の報告は結構面倒なものですが、ケースによっては結果だけ急に報告すると、唐突に感じる場合もあります。途中経過を伝えなかったら、「言っても分からないと思われているのか?」などと不安を持たれる可能性もあります。中長期案件の場合は、途中経過をシェアしていくことを心がけましょう。
【上司の心得】肯定的に、ウソは言わない

- 「この資料の1ページ目、なにかデータないの?」
- 「最後のグラフはもっと見やすくして」
上司から部下への指示でありがちな光景ですが、言われた方は確実にストレスになります。
「資料みたよ、早速ありがとう。ほぼ上手くできてるけど、1ページ目は何かデータがあったら分かりやすいな。あと最後のグラフももう少し見やすくしたら完璧。」
どう考えても、言われる側はこちらの方がいいでしょう。
「ここがダメ」ではなく「もっとこうしたら良い」という指摘の方が、相手のやる気を下げることなく、良い仕事に結びつく話し方になります。
良い点を探す「ポジティブチェック」を意識していけば、ネガティブな話し方も減っていき、周囲との関係性も良くなります。
上司が部下に対して言いがちな言葉に、次のようなものがあります。
- 「君のためを思って言ってる」
- 「俺は別にいいんだけど、君が困るよ」
これは、「叱ることで相手に嫌われたくない」というウソに満ちた説教で、押しつけがましく相手をうんざりさせる話し方です。
本当にあなたのことを思っている人は、そんなセリフは言いません。信頼関係がない表れと言えます。
- 「僕が困るんだよ」
- 「俺はこう思う」
はっきりと責任をもって伝えることが、相手にとっても自分にとっても良い話し方と言えます。
名前を呼ぶことで好印象を与える

ビジネスにおいて人の名前を覚えることは必須とも言えます。しかしながら、一度に何人もの人と会う時、全員覚えるのは難しいものです。
そこで使えるテクニックが、「相手の名前を呼ぶ」ことです。
- 「〇〇さんよろしくお願いします。」
- 「〇〇さんはどう思われますか?」
何度も口に出して言うことで、頭に定着していきます。名前を呼ぶことで、親密度が高まるという効果もあります。
非常にシンプルな方法ですが、効果はバツグンなので試してみてください。
自分に非がない場合は、どう話せば得かを考える

客先から日程の連絡がなかったせいで打ち合わせに出れなかったとしましょう。
「連絡来てないですけど…」
本当のことだとしても、これでは相手の印象を悪くするだけです。ケンカになる可能性もあります。
「打ち合わせに出れず、すみません。私の方もきちんと日程の確認をしておくべきでした。」
など、やんわりと誤っておくほうが相手に与える印象はマシです。
「どちらが悪いか」ではなく、「どう話せば得か」だけ考えればいいのです。
まとめ
ビジネスの場面で使える「話し方」についてまとめてきました。
プライベートとは違い、ビジネスではスピードや簡潔な表現が求められます。
良い話し方を実践していけば、人間関係は良くなり、仕事も人生も良いものになっていくはずです。