相手のタイプによって使い分けるクレーム対応・謝罪の方法

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読書日記

クレーム対応や謝罪において、スピーディーに誠意をもってという基本姿勢は変わりませんが、相手に合わせて対応を多少変える必要があります。

相手が人間である以上、相手の人物像を把握することは、クレームの問題点を把握するのと同じぐらい重要と言えます。

アメリカの精神分析医エリック・バーンは、人間行動に関する理論から、人の心の構造を5つに分類しています。

この5つの分類という視点から、人の傾向や特徴を読み取ることができます。

  1. CP(Critical Parent)批判的な親の心
  2. NP(Nurturing Parent)養育的な親の心
  3. A(Adult)合理的な大人の心
  4. FC(Free Child)無邪気な子供の心
  5. AC(Adapted Child)順応する子供の心

おおよそ5つの要素のどれが強くでているか、相手の傾向を感じ取ることができれば、相手にあった対応をとることができます。

それでは、それぞれのタイプの特徴と注意点をみていきましょう。

 

CP(Critical Parent)批判的な親の心

CPが高い人は、支配的、ルール重視、批判的といった特徴がみられます。

保守的でお堅いイメージの人、あるいは短期な人が当てはまります。

このタイプの人は、言葉の言い回し一つでも気にする傾向があるため、「ですが」「そう仰いましても」といった否定的な言葉を使うのは避けましょう。

その言葉に注目して怒りだす可能性があります。

「仰ることはごもっとも」「確かにそうですね」といった共感を示し、ご指摘に対しての感謝を伝え、相手のプライドを尊重することを大事にしましょう。

一見一番めんどくさいタイプに見えますが、実は単純な部分が多いため、ポイントをおさえて相手を立てながら話をしていけば意外と難しくない相手だと言えます。

 

NP(Nurturing Parent)養育的な親の心

NPが高い人は、献身的で面倒見がよい、母親的な性格の人、といった特徴がみられます。

不利な状況にいる人や困っている人に手を差し伸べたいと思う傾向があり、このタイプの人には謝罪の意思をきちんと言葉にして深い反省を伝えることが必要です。

優しい相手のため、話しやすいかもしれませんが、注意が必要です。

話しやすいからと言って軽い気持ちで対応していると、気持ちがこもっていないことをすぐに見抜かれます。

そうなると、二度と信用されなくなるかもしれません。

相手の優しさに甘えず、誠意をもって対応することが絶対です。

 

A(Adult)合理的な大人の心

Aが高い人は、合理的・理性的で、冷静にものごとを見るといった特徴がみられます。

よって、曖昧な説明や、矛盾した説明などは、絶対にしてはいけません。

「仰っていることは~ということでしょうか?」

相手の指摘と自分の認識が正しいか確認し、話がズレないように注意しましょう。

筋の通らない話だと思われれば、すぐに弾き返されます。

理屈で物事を考える相手であるため、話には一貫性をもたせることにより注意し、筋の通った説明をしましょう。

逆に言うと、個人の感情をぶつけてくるタイプではないので、話の筋が通っていれば理解を得やすいです。

具体的な数字やデータ、エビデンスなどを取り入れて話をすれば、相手の納得を一気に得やすくなります。

 

FC(Free Child)無邪気な子供の心

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FCが高い人は、開放的・無邪気・クリエイティブといった特徴がみられます。

いわゆる明るくて積極的、好奇心旺盛といったタイプの人です。

このタイプの人には、とにかく傾聴。

話を聴くことが一番です。

ただし、話しているうちにどんどん話が脱線していくことも多いです。

話の論点がズレないように、こちらで話の随時舵取りをしていく必要があります。

 

AC(Adapted Child)順応する子供の心

ACが高い人は、素直、忠実、協調的といった特徴がみられます。

ルールをしっかり守り、素直に人の話を聴く、製造業の設計者によく見られるような大人しいタイプの人です。

このタイプの人は話をしやすいですが、だからといって高圧的な態度をとったり、早口でまくしたてるのは絶対にNGです。

なるべく静かで落ち着ける場所で、相手のペースに合わせて話を聴きだしていくことが大事です。

相手がずばり意見を言えないような場合は、こちらから具体的に話を振って、相手に話しやすい状況を作ってあげましょう。

 

まとめ

相手のタイプを見極めて、それぞれにあった対応方法をまとめてきました。

最終的には、どんなタイプの人に対しても、冷静かつ公平な、最善の対応をとることが必要です。

コミュニケーションをとるうちに相手のタイプをおおよそ読み取ることは可能です。

上司や取引先の人がどのタイプに当てはまるか意識してみて、今後の問題解決の際の参考にして頂ければ幸いです。