「好きなこと」を仕事にするキャリア選択は正しいのか?

生産性

 

好きなことを仕事にしなさい。

よくあるキャリアアドバイスですが、果たしてこれは正しいのでしょうか?

2005年、スタンフォード大学の卒業式でスティーブ・ジョブズが行ったスピーチで、「好きを仕事に」という考え方が世界に広まりました。

ところが、元々ジョブズ自身がエレクトロニクス業界に入ったのは、「儲かるから」という理由が一番だったと言われています。

ジョブズが本当に好きなことを仕事にしていたら、スピリチュアルの指導者にでもなっていたかもしれません。

結論ですが、多くの研究によると、好きなことを仕事にしようがしまいが、最終的な幸福度は変わらないという答えが出ています。

 

好きなことを仕事にしたいという考え方

 

好きを仕事にするという考え方は昔からずっと存在しています。

心から好きなことを仕事にしていれば、もはや働かずにお金を稼いでいるぐらいの感覚になるかもしれません。

儒教の父「孔子」も、「自分の愛することを仕事にすれば、生涯で一日たりとも働かなくて済む」と言っています。

この言葉には誰もが納得するでしょう。

ギャラップ社が行った調査では、70%もの日本人が「仕事にやる気がない」と答えています。

好きなことを仕事にできれば幸福度が上がると考えるのは自然なことと言えます。

 

 

好きなことを仕事にできれば全て上手くいくのか?

 

好きを仕事にした場合、確かに幸福度の上昇が見られるものの、それは最初だけという結果が出ています。

どんなに好きな仕事でも、現実には人間関係、クレーム、サービス残業、どうでもいい雑用などの面倒なイベントが存在し、その分だけ現実と理想のギャップを感じやすくなります。

好きを仕事にしているほど、モチベーションが大きく上下する傾向が高くなります。

挙句には、自分は本当にこの仕事が好きなのだろうか?といった疑念が生まれてきます。

そして最終的には幸福度が下がってしまうのです。

 

好きを仕事にすると成長も遅い

 

オックスフォード大学が行った研究では、仕事に情熱を燃やす人よりも、仕事は仕事と割り切って取り組む人の方が優秀だという結果が出ています。

理由は先ほど述べたことと同じで、割り切る人の方が、面倒な仕事にも上手く対応できるからです。

どんなに好きな仕事でも、面倒な人間関係ややりたくない仕事が発生します。

期待しすぎている人ほどギャップを感じやすくなり、「本当はこの仕事に向いていないのかもしれない」などの悩みを持つようになり、モチベーションが上下します。

そんなことでは安定したスキルが身につかないというわけです。

また、スタンフォード大学の研究でも、好きを仕事にした人ほど長続きしないという結果が出ています。

仕事はやっていくうちに好きになるものだという考え方の人は、仕事への思い入れが小さい分だけ、小さなトラブルが起きてもこんなものだと考えることができるのです。

 

まとめ

好きなことを仕事にしたいというのは人の当然の願いですが、科学的には、現実とのギャップを感じやすくなり長続きしない・上達も遅いという研究結果が多いようです。

ハマりがちな落とし穴でも、場所を知っていれば事前に回避しやすくなります。

このような事実があることを知っておき、ギャップによるモチベーション低下を起こさないように気をつけましょう。

 

 

参考:科学的な適職