誰かに注意されたとき、素直に聞けるときと反発してしまう時があると思います。
意見が食い違ったとき、感情的になる時もあれば、ならない時もあります。
イライラするかどうかを決めているのは、あなたの「解釈の仕方」次第なのです。
つまり「解釈の仕方」を変えれば、怒りを避けることができるのです。
この「解釈の仕方」は、知識とテクニックがあれば、だれでも変えることができます。
短気な性格は変えられないと思うかもしれませんが、解釈の問題と分かれば気が楽になるかと思います。
怒りが発生するステップは次の通りです。
- 出来事に遭遇する
- 意味づけする
- 怒りが発生する
❷の意味づけ、つまり解釈の仕方をコントロールできれば、❸の怒りもコントロールできるようになる、というわけですね。
ここでは、「解釈の仕方」を変えてムダに怒らない人になるための、10のマインドセットを紹介していきます。
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怒ってしまった自分を受け入れる

怒らない自分になろうと努力している人でも、ついつい怒ってしまうことがあるでしょう。
そんなときに、自分を責めてはいけません。
怒った自分を否定するのではなく、怒った事実を認めて、マネジメントしていけば良いのです。
「怒り=悪いこと」ではありません。
「悪いこと=ムダに怒ること」です。
「怒るべきかどうか」は、「後悔するかどうか」で判断できます。
あとで後悔するぐらいなら、怒ったほうが良いと考えましょう。
怒りは自然な感情であり、モチベーションに変換したりと、使い方によってはポジティブに活用できます。
重要なのは「怒りの伝え方」であり、これを間違えなければ怒りの感情を持つこと自体に問題はないのです。
ネガティブな感情をため込まない

足を踏まれた、列に割り込まれた、などの小さなことで怒りを爆発させてしまった、もしくはそういう人をみた経験がある人も少なくないはずです。
私たちの怒りは、小さなイライラが積み重なり、容量が限界に達したときに爆発してしまいます。
これには、容量を大きくするか、溜まっていくネガティブな感情を消していくことが有効です。
さらに、容量をポジティブな感情で満たしておけば、怒りの爆発が起きることはありません。
つまり、これは「怒りっぽい性格」という問題ではなく、日々のケアによって改善できる問題なのです。
ということを認識するのがまず第一です。
怒りの奥に隠れている一次感情と向き合う

怒りの感情について考えるとき、一次感情と二次感情に分けて定義することができます。
例えば、仕事帰りにお酒を飲んでくる夫に対して、妻が怒る場面を想像してみましょう。
妻「またお酒飲んで、こんなに遅く帰ってきて!」
夫「たまにはいいじゃないか…唯一の楽しみなんだし…」
ここでの妻の怒りは、二次感情です。
一次感情としては、次のようなものが考えられます。
「お酒を飲んだあとの帰りに事故に遭わないか不安」
「健康が心配」
「家で過ごす2人の時間が少なくなる」
怒りを相手にぶつけるのではなく、一次感情に目を向けて自分の気持ちを伝えると、問題を建設的に解決できるでしょう。
権利・欲求・義務を分けて考える

私たちは皆「コアビリーフ」と呼ばれる自分ルールを持っています。
「年上は敬うべき」
「若者は上司にお酒をついで回るべき」
「子供は門限を守るべき」
自分ルールを持つのは構いませんが、これを人に押し付ける「俺様思考」は問題です。
たとえば、毎日残業で帰りが遅くなり、帰宅すると妻はもう寝ている。
夫は「こっちは毎日働いてるんだから、妻なら起きて待っていろよ」と思うかもしれません。
「起きて待て」は夫の欲求であり、妻の義務ではありません。
妻には、自分のペースで寝る権利があります。
夫にも権利はありますが、それは「起きて待っていてほしい」と伝える権利です。
このように、権利・欲求・義務を分けて考える習慣が身につけば、特に身近な日常の出来事を自分ルールに当てはめてイライラすることは減らせるでしょう。
変えられないことに怒るのをやめる
重要⇔重要ではない
変えられる⇔変えられない
2つの軸で怒りを整理し、ムダに怒る自分を変えることができます。
怒りを感じたときに、4つのエリアのどこに当てはまるか考えてみましょう。
そして、取り組むべきは、「重要×変えられる」のみです。
「重要ではない×変えられる」は、時間があるときにやるぐらいでOKです。
「変えられない」ことに対してイライラしていても、時間の無駄以外の何物でもありません。
早くこのことに気づいて、スルーしましょう。
怒りのポジティブな面に目を向ける

先述の通り、「怒り=悪」ではありません。
怒りという感情には、私たちの成長のエネルギーになるという側面もあります。
悔しさをバネにして立ち直る、失敗から学んで改善していくのと同じです。
怒りを感じるということは、満足いく結果が得られなかったということです。
怒りをぶちまけるのではなく、自分が「怒りを感じている」ことを認識して、次どうすればいいか、と考えていくことができれば、怒りの感情もポジティブに活かしていくことができます。
完璧主義者にならない

理想を追い求めて努力を重ねるのは素晴らしいことですが、理想が高すぎて自分にプレッシャーがかかると、イライラしやすくなります。
絶対にミスをしない人はいませんし、納期のためにクオリティには多少妥協して仕事することが必要なときもあります。
完璧主義は、理想の自分を追い求めるまではいいのですが、理想に到達できないときに、自分に失望してしまいます。
「中途半端な仕事しかできない」
「自分はダメな母親だ」など
実現不可能なことを追い求め、自分からメンタルを病んでいくのが完璧主義者です。
さらにマズイのは、他人にも完璧を求めることです。
「なぜこれぐらいのことができないのか」
などと怒りを感じ始めると、相手を追い詰めて人間関係を悪化させます。
まずは現実を認識し、妥当な範囲で理想を設定しましょう。
過度な期待をしない

過度な期待は、怒りを生む原因になります。
特に、プライベートの人間関係で見返りを期待すると、期待と結果のギャップが大きかった時に、怒りを感じてしまいます。
逆に、他人への期待値を下げてしまえば、怒りを感じることはなくなります。
たとえば、職場で率先して掃除をしたのに、だれも手伝わなければ感謝の言葉もなく、ちょっとイラっとした、としましょう。
怒りが沸いたのは、手伝いや感謝の言葉をあなたが期待していたからです。
はじめから期待していなければ、怒りの感情は沸きません。
他人に何かを期待して怒るぐらいなら、始めからやらない方がマシと言えます。
「清潔な環境を保ちたいから、自分で掃除している」
のように考え、自分がやりたいことを自分でやっていると考え方をもちましょう。
自分ルールと世間の常識を分ける

私たちは皆「コアビリーフ」と呼ばれる自分ルールを持っています。
そして、自分ルールから外れることに怒りを覚えてしまいます。
しかし、自分ルールと世間の常識は分けて考える必要があります。
たとえば、「約束の時間は守るべき」というのは世間の常識と言えますが、集合時間ピッタリに着けばいいか、3分前に着けばいいか、5分前か、10分前か…というルールは人それぞれです。
10分前が当たり前と考えている人は、時間ピッタリに来る人を、時間にルーズだと思うかもしれません。
逆に、時間ピッタリに来る人は、10分前に来る人を、時間を無駄にする人だと思うかもしれません。
「自分ルール=世間の常識」だと考えてストレスを感じるのは、やめましょう。
怒りの根源になるものから物理的に距離をとる

他人の評価を見ない、耳に入れない
不快なものは見ない、近づかない
これも1つの方法で、そもそもストレスから距離をとろうという考えです。
カテゴリーで考えると、「変えられない×重要ではない」に入るイライラに対して使えます。
電車でマナーの悪い人がいれば、イライラするかもしれません。
いちいち相手にしても一切メリットはありませんので、近づかないのが一番というわけです。
SNSなども同じです。
他人の評価ばかり気にしても、自分は何も変わりません。
自分の評価は自分で決めればいいし、嫌な人がいればブロックしてもいいし、自分がSNSをやめてもいいです。
ストレスになるトリガーを根本から消してしまうのも、1つの手です。
まとめ
ムダに怒らない自分になるための10のマインドセットを紹介してきました。
怒りを感じる事象に対して、自分の解釈が変われば、感情も変わります。
これらは絶対すべて実践しろというものではありません。
プレッシャーに感じず、できるものから実践していきましょう。
自分にあったものを、1つでも実践していくことができれば、人生は少しでも楽になると思います。